酷寒や酷暑におすすめの敷板は?選び方と取り扱いのポイント

建物を建設したり道路や橋などをつくったり。工事は日本全国で、季節を問わず行われています。場所や時期によっては、雪が降り続いたり、連日真夏日となる暑さになることもあります。

 

こんなとき、人間であれば服をたくさん着て防寒をしたり、暑ければ涼しい素材の服に変えたりしますよね。では、工事現場に欠かせない敷板も寒いところと暑いところで向いているものがあったり、変えたりする必要はあるのでしょうか?

 

そんな疑問を解決すべく、今回は酷寒と酷暑での敷板の選び方や敷き方について調べてみることにしました。

 

 

酷寒での地面の特徴と注意点

 

寒冷地を調べてみると一般的に年平均気温が10度以下で、積雪が年間90日以上の地域のことを言うそうです。工事現場では地面の凍結や雪害(せつがい)、凍上(とうじょう)などに注意が必要です。

 

・凍結

気温が氷点下になり地面の水分が凍りつくこと。表面が氷のようにつるつるになるため、人や車が滑りやすく危険な状態です。

 

・雪害

雪の影響で発生する災害のこと。雪が積もることで道路などが埋まる「積雪害」や雪の重みで建物や樹木などが損壊してしまう「雪厚害」などがあります。

 

・凍上

地中温度が氷点下になったときに地中の水が凍結、膨張して周りの地表を盛り上げる現象のこと。地面が10cm以上も盛り上がったり、地下に埋めてある管が壊れてしまうこともあります。

 

 

酷寒での敷板の選び方、取り扱い方のポイント

 

では、寒冷地ではどのような敷板を選べばいいのでしょうか?よく使われている敷板で考えてみたいと思います。

 

■コンパネ・合板

コンパネや合板は木材でできています。木には水分が含まれているため、氷点下になると水分が凍りはじめます。木材が凍ると一部が曲がってしまったり、割れてしまうことも。そのため氷点下になる地域で使うことはおすすめできません。

 

また雪にも注意が必要です。雪が溶けると木材に水分が吸収されます。その後、雪が降らなければ水分がどんどん抜けて乾燥していきます。このように水分を吸収したり出したりを繰り返すことで、反ったり割れやすくなります。

 

■ゴムマット

ゴムは常温であれば柔らかい状態ですが、低温になると硬くなってしまい、ゴムの特性である弾性(*)が失われてしまいます。この弾性を失ってしまうことを耐寒限界温度といい、種類にもよりますがマイナス20度〜50度くらいのものが多いようです。

 

*弾性とは:

外からの力で変形している物体が、力を除くと同時に元に戻ろうとする性質のこと

 

なお寒冷地では折り曲げて運搬することが難しいため、大きいサイズのゴムマットを運ぶときは2人以上が必要です。

 

■プラスチック敷板

プラスチック敷板はメーカーによって耐寒限界温度が大きく異なります。マイナス15度のプラスチック敷板が多いですが、マイナス30度まで対応している敷板もあります。寒冷地ではマイナス20度を超える日も少なくありませんので、プラスチック敷板を選ぶときは気をつけたいものですね。

 

プラスチック敷板にはすべり止めが備わっていることが多いため、雪などですべりやすい場所で歩行者のスリップを防いでくれるメリットがあります。

 

なおプラスチックは化学薬品に対しての耐性も高く、融雪剤を撒いても劣化しにくいことが特徴のひとつです。雪を溶かしてくれることはもちろん、雪が降る前に撒いておけば凍結防止にもなります。

 

■敷鉄板

雪には注意が必要です。塩分を含んだ融雪剤を撒くと、金属である鉄は錆びやすくなってしまうからです。そのため定期的に水で洗い流す必要があります。

 

 

酷暑での地面の特徴と注意点

 

近年は日本のいたるところで真夏日(日中の最高気温30度以上)や猛暑日(日中の最高気温35度以上)が増えていますよね。気象庁の資料(*)によると1910〜1939年と1990〜2019年の平均を比べた場合、真夏日は1.2倍増加、猛暑日は2.9倍増加しています。

 

*気象庁の資料

https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/extreme/extreme_p.html

 

 

暑さで地面の形状が変わってしまうことはほとんどありませんが、気温と地温(地表面や地中の温度)に差があることに注意が必要です。地温は気温よりも冷えやすく、また温まりやすいのが特徴です。一般的には気温と地温には3〜5度くらいの差があると言われています。大人よりも子どもや犬などの小動物の方が暑さを感じやすいのはこのためなんですね。

 

 

酷暑での敷板の選び方、取り扱い方のポイント

 

酷暑ではどんな敷板を選べばいいのでしょうか?酷寒と同じように、ひとつずつ見ていきたいと思います。

 

■コンパネ・合板

木材は熱伝導率が低い、つまり熱が伝わりにくい素材です。そのため気温が高くなっても木材そのものはそれほど熱くなりません。

 

たとえばサウナの内装は木でできたものが多いですが、床や壁に触れてしまっても火傷したりはしませんよね。ちなみにサウナの温度は90度前後。気温40度くらいであれば問題なく使うことができます。

 

■ゴムマット

ゴムは熱で溶けてしまうことはありませんが、連続で使用すると伸びてしまったりちぎれてしまうことがあります。とはいっても気温くらいの温度であればあまり心配はいりません。

 

■プラスチック敷板

プラスチック敷板はメーカーによって対応温度が違います。対応温度が50度の敷板が多いですが60度のメーカーもあります。黒い敷板は猛暑日では敷板の温度が50度を超える場合もありますので、敷板を選ぶときは参考にしていただければと思います。

 

またプラスチック敷板は、プラスチック自体の特性により温度の上下により膨張したり縮小したりします。とくに、季節をまたいで長い間敷きっぱなしにしたり、一日の温度差が激しい場所で敷くときには、敷板と敷板の間に1センチから2センチの間隔をあけて敷くことがポイントです。プラスチックの種類により膨張率が異なり、高密度ポリエチレンの膨張率が最も小さいです。

 

■敷鉄板

敷鉄板で注意すべきなのが、熱伝導率の高さです。鉄、プラスチック、ゴム、木材のなかで鉄はもっとも熱が伝わりやすい性質を持っており、熱伝導率は木材の120倍にもなります。太陽光で熱せられた鉄板で火傷をしてしまうこともあるため、工事現場ではうっかり敷鉄板の上に座ったり、触ったりしてしまわないように気をつける必要があります。

 

酷寒と酷暑での敷板の選び方や取り扱い方のポイントについて調べてみました。

 

なお、それぞれの敷板の特徴やメリット、デメリットを以下の記事にまとめていますので、こちらもぜひ合わせてご覧ください。敷板を選ぶときの参考にしていただければなによりです。

 

「敷鉄板、プラスチック敷板…工事現場に欠かせない地盤養生には、どんな種類がある?」

https://bit.ly/3eOMAln